2022年9月25日日曜日

今回は、BALの左腕ブルース・ジマーマンを紹介しよう。

【成績】

ジマーマンは2022年9月6日(現地)の第2戦終了後にAAA降格となるまで、MLBで投げていた。降格までの2022年通算成績は15試合で73と2/3回を投げて2勝5敗防御率5.99。




【スタットキャット統計】

しかしながら、ジマーマンは四球の少なさにおいてMLBでトップ級だった。2022年のBB/9は1.47。K/9は5.99を低いにもかかわらずK/BBは4.08と優秀で、降格するような数字ではない。

では運が悪かったのだろうか。いや、ERA5.99に対してxERA6.53と、むしろ運がいい方だった。


Zimmermann
致命的だったのは被弾の多さ。HR/9は2.57と非常に高く、Barrel%13.2(cf.MLB平均6.7)はMLB下位1パーセンタイル以内に入っている。

三振がとれない上に打球速度が速く、xBA、xSLGは共にリーグ下位1%以内。いくら四球が少なくても球自体の質が悪くポコポコ打たれては、通用しているとはいい難い成績に陥ってしまうという好例である。



【投球分析】

ジマーマンの球種は直球、チェンジアップ、スライダー、カーブ、シンカーの5種類。

ストレートは2022年平均球速が90.6mphと遅めで、どの年を見てもxwOBAが悪い。2022年に比較的いい投球結果を残したスライダー、チェンジアップについては、スライダーはK%が大きいがHardHit%が比較的大きく(2021年は30%未満と小さかった)、反対にチェンジアップはK%は低いがHardHit%は小さく収まったという違いがある。また、カーブのxwOBA、K%、HardHit%はいずれもジマーマンの球種のうちで良い数字を残してている。

以上より、来年以降は、既に減少傾向にある直球の割合をさらに減らし、スライダーとカーブの割合を増やして投球の軸として、時折チェンジアップやシンカーを織り交ぜるといった投球になっていくのではないかと考えられる。

繰り返すが、コントロールはMLBでも最高クラス。今後次第では十分ローテを回れるピッチャーになる可能性をもつ思われるので、期待していきたい。

Pitchpercentxwoba







KpercentHardHit








前年度MVPから奪三振


最初から3つがジマーマン。最後はシオネル・ペレスという別の投手なので注意